易は単なる占いではなく学問である
中国で「易経」が完成したのは3500年前といわれています。
日本の時代に当てはめると縄文時代の晩期になるでしょう。日本が国家として成り立つ前に完成していたのです。
考えただけでも気の遠くなるような古代に、知恵深き哲人があるがままの天地自然を鋭く洞察して「易経」の基礎をつくったのです。彼らは風水師と呼ばれました。
日本で「易」「風水」といえば、単なる「占い」と受け取られがちですが、本場中国では「易経学」と呼ばれます。
「宇宙・世界・自然」というすべての体系について記述された「統計学」とでも呼ぶべき学問とされています。
中国の歴史の中で何百万、何千万例という生活事例から整理されたものなのです。
その後、「易経」は政治の舞台であらゆる戦術を決めるのに実践的に利用されました。歴代の皇帝たちは、風水師を参謀として登用していたと伝えられています。
『三国志』(魏・呉・蜀の三国が争覇した時代を追って書かれた歴史書)に登場する諸葛孔明(蜀漢の政治家・武将)も、「易経」を戦術に取り入れた人物であるといわれています。