43. 沢天夬（たくてんかい）

キーワード：決断・決行

卦辞
悪人どもを退治するには、まず朝廷に彼らの罪を訴え、誠意をもって人々に呼びかけることだ。もちろん危険は覚悟しなければならない。まず自分の領地を治めておいてから決行せよ。しかし武力を用いてはいけない。

象伝
沢が天の上にのぼるさまが夬である。君子はこの象に則って、下々にまで恩沢を施し与えるのである。

初爻	前進する意気込みは盛んだが、進んでも勝ち目はなく災いをなす。
二爻	警戒して叫ぶ。敵の夜襲を受けても心配することはない。
三爻	小人を退治しようという決意が顔にまで現われるようでは、凶。君子は決行するときは思い切って行なうべきだ。一人で飛び出して雨に遭い、身体が濡れるように濡れ衣を着せられ、疑いの目で見られるかもしれないが、問題はない。
四爻	尻の皮がむけて痛くて座ることも進むこともままならない。羊に引かれるように後ろから従っていけば悔いはなくなるのだが、この忠告を聞いても信じようとしない。
五爻	陰湿の地にはびこる山ごぼうを跡形もなくなく抜き去るように、小人を徹底して除き去る。中道を守っていけば、問題はない。
上爻	泣き叫んで助けを求めたところで無駄だ。余命はいくばくもない。結局は凶。