63. 水火既済（すいかきせい）

キーワード：完成

卦辞
小さな願いごとはかなう。ただし正しい道を守り続けた場合にのみ利を得られる。初めは吉だが終わりは乱れる。

象伝
水が火の上にあって燃えさかる火を消そうとしているさまが既済である。君子はこの象に則って、将来の患難を思って、あらかじめこれを防ぐのである。

初爻	川を渡ろうとする車の車輪を後ろへ曳き戻して前進をはばむ。川を渡ろうとする狐が尾を水に濡らし、進み渋っている。慎重であれば問題はない。
二爻	婦人が髪飾りを失くして外出できない。探さなくとも七日もすれば戻ってくる。
三爻	剛勇の王、高宗が敵を討つ。三年もかかって勝利を収めた。こんなとき小人を登用してはならない。
四爻	舟の水漏れに備えてぼろ切れを周到に用意して、一日中警戒を怠らない。
五爻	東隣の家では牛を殺して贅沢な祭りを行なうが、西隣の家の誠を込めた倹約な祭りに及ばない。
上爻	狐が川を渡ろうとして頭まで水に濡らしてまった。危険である。